イ・ドンフィ主演映画『グクド劇場』、今月29日に公開…“映画らしくない”人生を淡々と描く

2020年05月26日

6年以上、司法試験を準備してきたキテ(イ・ドンフィ)は司法試験が廃止され故郷の全羅南道(チョルラナムド)宝城(ポソン)筏橋(ボルギョ)に帰ってくる。
そんなキテは母親が住む家に気軽に向かうことができず、ターミナルや酒場で時間をつぶす。
ソウルで偉くなったと思ったと皮肉を言う幼なじみや博士号まで取った偉い兄、病気でも相変わらずそんな兄だけをかわいがる母にも会いたくないのは同然だ。
これ以上、逃げるところがないキテはやむを得ず映画を再公開している古びた映画館「グクド劇場」で切符売りや掃除係・管理者として仕事をするようになる。
そこで昼夜酔っぱらっている看板職人のオ氏と歌手の夢を叶えるためにアルバイトを転々とする同い年のヨンウンに出会う。
映画『グクド劇場(原題:국도극장)』は劇的な展開もない上、輝く瞬間とも距離が遠く、映画とは思えないキテの人生の一場面を淡々と見せる。
自身が知っている平凡さや時には卑しい人生が改めて癒してくれる。
タバコ1本がせいぜい楽しめる癒しで贅沢だったキテ。
しかしある瞬間、ニヤリと漏れる笑いを隠せなくなるようにいつも疲れた日常で幸せはほんの一瞬思いもよらず訪れるため、その瞬間を逃さないようにと両手を取り合って誓おうとしているようだ。
手描きの映画の看板が掲げられる劇場の情景だけでも伝わってくる温もりがある。
新しく見えるのは主演を務めたイ・ドンフィだけでなく、オ氏役のイ・ハンウィやキテの母親役のシン・シネなどキャストたちの安定的な演技だ。
たわいもないコミカルな演技で大衆に刻印されたこれまでのイメージが想像できないほど、穏やかでまた胸が痛む。
独立映画から始まり、テレビや映画を行き来してさまざまな作品で演技力を認められてきたイ・サンヒは、ヨンウン役でキテと観客に前向きなエネルギーを与える。
利己的だとばかり思っていたキテの兄ヒテにさえ、結局は共感せざるを得なくさせることも演劇舞台出身の俳優キム・ソハの力だ。
映画製作会社「MYUNG FILM」の映画製作システム「MYUNG FILMS LAB」が披露する5本目の作品で、3期演出専攻のチョン・ジヒ監督のデビュー作だ。
全州国際映画祭の製作・投資プログラムである全州シネマプロジェクトに選定され昨年、全州国際映画祭で初公開。
公開バージョンは92分、ディレクターズカット版は102分。
2つのバージョンはいずれも今月29日のオン・オフラインで同時公開される。

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