デビュー10周年を迎えた屋上月光…「押しつけがましくならないように。年齢に合った音楽をやりたい」

2020年07月30日

「多くの物語が、この一枚の写真に込められているようだ」
女性デュオ、屋上月光(OKDAL)のニューミニアルバム「Still a Child」のカバー写真を見てそのように思った。
モノクロ写真の狭いフレームの中に、屋上月光のメンバー、キム・ユンジュ、パク・セジンをはじめとする8人の男女がギュウギュウにひっついて、いたずらな表情を浮かべる。暖かい質感で、彼女らが共にしてきた時間を想像することができる。今年デビュー10周年を迎えた屋上月光は、これまで一緒に歩んできたセッションメンバーの顔でアルバムのカバーを飾った。
最近、麻浦区(マポグ)の作業室で会った屋上月光の2人は「10周年である今年だからこそできるカバーだと思った」と話した。
キム・ユンジュは「写真を撮りながら、たくさんの事を考えた。一番長く活動している、ドラムやトロンボーンの演奏メンバーがグループチャットで“これから、もっと頑張らなければいけないと思った”と話してくれて、私たちは同じ気持ちだったのだと思い、とてもありがたかった」と述べた。
そしてパク・セジンも「周りの人の支えと愛情があったからこそ、このように10年間続けてこられたのではないだろうかと思う。本当にありがたい10周年を迎えた。その気持ちがそのまま(アルバムに)込められたと思う」と明かした。
屋上月光は、2010年1月にミニアルバム「屋上ラジオ(原題:옥탑라됴)」をリリースし、活動を開始した。「お疲れ様、今日も(原題:수고했어, 오늘도)」、「Having Nothing is Merit」、「Hard-core my life」など、若者を優しく励ます楽曲を手掛け、愛された。
1984年生まれで同い年の2人は、大学を卒業してすぐデビューした。屋上月光として活動しながら、共に大人になったというわけだ。キム・ユンジュは「今回のアルバムは、屋上月光が30代半ばになった今、経験している話」だと説明した。
ダブルタイトル曲の1つである「大人っぽくなったね(原題:어른처럼 생겼네)」の歌詞は、その年台を通過する誰もが共感するだろう。
「大人っぽくなったね もう私も/考えもそうならないといけないのに/そうなれば こんなに/めちゃくちゃに生きてはいないだろう」
しかし曲の末尾には、このような慰めの言葉をかける。
「絶対にあきらめないで/今日の私 また一日を」
曲を書いたパク・セジンは「布団を蹴るほど、自分自身に傷つき、挫折した日に書いた曲なのに、むしろ書いてから心が軽くなった」とし「私の一日であれ、自分自身であれ、あきらめずに頑張って生きてみようという希望を伝えたかった」と語った。
キム・ユンジュが書いたもう1つのタイトル曲「散歩の美学(原題:산책의 미학)」は、小さくても、確かな幸せについて歌う。キム・ユンジュは自然が与えてくれる「ヒーリング」について語りたかったとし、 「もどかしい一日を送る人々に、散歩の大切さを知ってほしいと思った」と説明した。
2人は大学の同期だ。ある展示会の開幕式で歌ったところ、インディーズバンド「Oldfish」と知り合い、彼らのアルバムに参加することになった。これをきっかけに、本格的に音楽活動を開始した。事実上、屋上月光と共に始めた音楽レーベル「MAGIC STRAWBERRY SOUND」は、今や最も注目されるインディーズ音楽家たちが所属する会社にまで成長した。
最近、KBS 2TV「ユ・ヒヨルのスケッチブック」に出演し、デビューアルバムのタイトル曲である「屋上月光(原題:옥상달빛)」を歌った。キム・ユンジュは「10年前、同番組に出演した際、本当にブルブル震えるほど緊張しながら、その歌を歌ったことを思い出す。少し安定した“屋上月光”をお聞かせでき、感無量だ」と伝えた。
彼女は一緒に音楽することが「まだとても楽しい」とし「デュオを始めた時期を一緒に過ごした人が傍にいるというのが、私たちには大きな原動力であり、初心に返らせてくれる」と話した。
2人は、お互いの原動力でもあった。10年間、お互いがどのようなパートナーだったかと聞くと、「本当の友達」、「少し夫婦のような感じ」という答えが返ってきた。
パク・セジンは「私にとっては、ユンジュがとても面白い(笑)。ただの友達としても好感が持てるし、これからもずっとユンジュといたい。お互い笑わせ合うのも好きだし、音楽的な話をするのも好きだ」と話し、キム・ユンジュは「元々仲は良かったが、毎日ラジオの仕事でおしゃべりをするようになり、さらに仲良くなった。散々話した後、“後でまたメールで話そう”となる。いまだにそう」と話した。
「お疲れ様、今日も」のような楽曲が広く知られながら、屋上月光は励ましとヒーリングを届けるアイコンのように扱われるようになった。そのような部分が、手に余ると思う事はないのだろうか。
パク・セジンは「“ヒーリングの代名詞”のように私たちを紹介してくれる事が多く、ありがたい一方、プレッシャーもあった。そのため以前は、悩みもたくさんあった」とし「私たちの一部だと受け入れるようになって、今は少しプレッシャーが減った」と説明した。
青春を歌っていた屋上月光の音楽も、2人のメンバーが成長しながら、自然と変化してきた。再び10年が過ぎた後の屋上月光は、どんな姿になっているだろうか。期待せずにはいられない。
パク・セジンは「その時々にしたい話を正直に表現できるデュオでありたい」という願いを明かした。
キム・ユンジュは「40代になった時には、またその年齢に合った話をしたい。押しつけがましくならないようにしたい」とし「ヤン・ヒウンさんが、音楽的な挑戦を続け、年齢に合った音楽を届けていらっしゃるのを見ながら、多くのことを感じる」と述べた。
「1歳ずつ歳を重ねながら、音楽をするのに、無難になっていく感情は危険だと思った」という彼女は「大人になって良い部分もあるが、良くない部分もあると思う。それに注意したい」とも述べた。

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