米NYT、「映画『ミナリ』のユン・ヨジョンは快活な笑いと自然な気品を兼ね備えた女優」と評価

2021年04月05日

「『ユン・ヨジョンはバツイチだから、テレビに出てはいけない』と当時は人々が言っていた。だが今、私をとても好きでいてくださる。おかしい話だ。それが人間」
映画『ミナリ』で突飛でありながらも慈愛に満ちた祖母のスンジャ役を熱演し、韓国俳優で初めてアメリカ・アカデミー賞の女優助演賞にノミネートされたユン・ヨジョンが、「ニューヨーク・タイムズ(以下、NYT)」とのインタビューで打ち明けた言葉だ。
1970年代に全盛期を迎えたが、結婚と共にアメリカ・フロリダへ移住。
約10年暮らし離婚した後、韓国へ帰国し再び役者として活動しながら辛く寂しかった時代を彼女はNYTとのインタビューで淡々と語った。
「小さな役ばかり入ってきて苦しんでいたし、大半の人が私を嫌っていた。辞めてアメリカに帰ろうかと思ったが、こうやって生き残り、演技を楽しんでいる」
ソウルの自宅から、NYTのインタビューにリモートで応じたユン・ヨジョンは、「73歳のアジア女性がオスカー候補になるとは想像もできなかった」としながら、「映画『ミナリ』が自分にとってたくさんのプレゼントをくれたが、プレッシャーも大きい」と述べた。
さらに「ストレスが多い。人々が私をサッカー選手やオリンピック国家代表のように思っているのがプレッシャー」だと付け加えた。
『ミナリ』を書き下ろし、演出したリー・アイザック・チョン監督との縁についても明かした。
チョン監督との出会いは、釜山国際映画祭だった。
ユン・ヨジョンの親友であるイ・インアプロデューサーが紹介してくれたという。
一方、チョン監督はユン・ヨジョンのデビュー作であるキム・ギヨン監督の『火女(原題:화녀)』(1971)を見て深い感銘を受けた。
ユン・ヨジョンは、アメリカで生まれ育ったチョン監督が自分の初期出演作にまで精通していたことが印象深く、チョン監督について知りたくなったと話した。
彼女は「チョン監督はとても静かな人」だとしながら、自分の息子にしたいと思うほど愛情を感じていると述べた。
チョン監督はNYTとのインタビューでユン・ヨジョンについて、ユン・ヨジョン本人の人生と姿勢が、自身が書いた『ミナリ』の祖母役と近い存在だと思ったと説明した。
また彼はユン・ヨジョンが、韓国では豊かな心遣いと真摯な態度で有名な俳優でありながら、そのような点が『ミナリ』の役柄を通じて観客を魅了させることができると思ったと述べた。
ユン・ヨジョンは、孫のデヴィッドとして出演したアラン・キムにまつわる撮影時のエピソードも紹介した。
「アランは演技経験がほとんどなく、私と一緒に登場するシーンの撮影では、忍耐力が試されるかもしれないと思った。しかし、アランがセリフをすべて暗記していたのを見て、そんな心配が打ち払われた」
演技に臨む幼いアラン・キムの態度から、自身の下積み時代を垣間見たとも説明した。
ユン・ヨジョンは「私は演技を学校で学んでおらず、映画を勉強したこともなかった。劣等感があった。だからセリフをもらったら、とても一生懸命練習した」と振り返った。
NYTはインタビュー応じたユン・ヨジョンの姿について「物思いにふけった表情から人懐っこい笑顔や快活な笑いが起こり、物静かな風貌には自然な気品があった」としながら、「自分の思いを述べながら毅然としていた」と評価した。
『ミナリ』はアカデミー賞の最高栄誉である作品賞をはじめ監督賞、女優助演賞、男優主演賞、脚本賞、音楽賞など6部門の候補に上った。
「第93回アカデミー賞」の授賞式は今月25日に開かれる。

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