パク・フンジョン監督の新作映画『魔女2』、韓国型スーパーヒーローシリーズとして出発

2022年06月08日

英雄が空を飛び回り、手振りと目線だけで悪党を制圧するスーパーヒーロー映画を韓国でも作ることができるのだろうか。英雄と悪党の決闘を繰り返しながらストーリーが展開し、「マーベル・シネマティック・ユニバース」や「DCエクステンデッド・ユニバース」と呼ばれるようなシリーズ物は、アメリカにだけ存在するのだろうか。
パク・フンジョン監督の新作『魔女 Part2. The Other One(原題:마녀 2)』(以下、『魔女2』)は、これまで想像はしていたが、試みられなかった韓国型スーパーヒーローシリーズの始まりを知らせる映画だ。
魔女プロジェクトを進行する秘密研究所「アーク」は正体不明の集団の襲撃を受け、焦土化する。ここで一人生き残り、抜け出した“少女”(シン・シア)は、10年近く平凡な家庭で生活した前編の魔女“ク・ジャユン”(キム・ダミ)とは違い、研究所の外が初めて触れる世の中だ。そのため名前もない。少女は偶然出会った“キョンヒ”(パク・ウンビン)と“デギル”(ソン・ユビン)兄妹の農場で過ごしながら、日常に適応していく。
しかし少女は、魔女プロジェクトの完全体モデルであるため、さまざまな勢力から追跡される。プロジェクトの創始者“ペク総括”(チョ・ミンス)の指示を受けた本社のエース要員“チョヒョン”(ソ・ウンス)、アークの管理責任者“チャン”(イ・ジョンソク)、中国上海から送り込まれた「トウ4人組」らは、それぞれ異なる目的で少女を追う。ここにヒョンヒとデギル兄妹と不動産問題でもつれた“ヨンドゥ”(チン・グ)の組織も加わる。
研究所を抜け出した少女を複数のグループが追うというあらすじは、前編と同じだ。しかし悪党グループの数が増え、彼らの間の関係が詳しく描かれた。キャラクターと能力の差は鮮明になった。特別な超能力がない町のごろつきヨンドゥ以外は、現実に存在しないようなキャラクターばかりだ。
映画は、マンガ的な想像力をふんだんに盛り込むことで、現実からは遠ざかるが、ハリウッドのスーパーヒーローシリーズに近づく。凶器と重機関銃を使ったアクションは、真夜中に牧場で起こる空中戦でピークに達する。ややもすると、時代遅れの武侠映画のように見えるかもしれないシーンだが、野暮ったかったり安っぽかったりはしない。
簡潔で節度あるアクションシーンにク・ジャユンという女性キャラクターを立てた前編は、韓国では稀に見る作品だった。今回もチョヒョンと「トウ4人組」のリーダーなど、女性キャラクターがアクションをリードする。軍人出身のスナイパー、チョヒョンは、女戦士で、強烈なカリスマを誇る。観客によっては、チョヒョンを映画の主人公と思う可能性もある。
新しい魔女として登場した少女に、ク・ジャユンほどのアクションを期待したなら失望するかもしれない。体を使うアクションよりは念力や相手の動作を制御する能力など、頭の中の超能力をより多く使うため、観客を視覚的に魅了することはできない。平凡な女子高生から魔女に覚醒し、多様で劇的な変化を見せるク・ジャユンとは異なり、研究所の外での生活が初めての少女は、依然として神秘的な人物に留まる。
『生き残るための3つの取引』(2010)の脚本を執筆、『新しき世界』(2012)の演出を担当し、現実に密着したジャンル映画を披露してきたパク・フンジョン監督が、今度は「魔女シリーズ」で現実から最大限遠ざかる。彼は7日の試写会後に行われた懇談会で、「マンガのように見ることができる映画を考えた。文字通り、超現実的なアクションをやってみたかった」と述べた。
パク監督はキャラクターを発展させ、“魔女の世界観”を構築し、シリーズを続けて行きたいという欲を隠さなかった。彼は「ジャユンと少女は成長中。“最強”のキャラクターはまだ登場してもいない」とし、「出していない人物、書き下ろしていない物語がたくさんある」と述べた。
特典映像からだけでも、パク監督の心の内を垣間見ることができる。『魔女2』は、R15指定で、上映時間は137分。韓国では15日に公開される。

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