俳優イ・ジョンジェ、エミー賞を受賞…韓国俳優初の快挙
2022年09月14日

俳優のイ・ジョンジェ(49)が12日(現地時間)、韓国俳優で初めて、アメリカの「エミー賞」の主演男優賞を獲得した。アジア国籍の俳優としても初の記録となる。
動画サービスNetflixの韓国ドラマシリーズ「イカゲーム」で獲得した、アメリカで4つ目となる演技賞のトロフィー。これに先立ち、イ・ジョンジェは全米映画俳優組合賞、インディペンデント・スピリット賞、放送映画批評家協会賞で主演男優賞を受賞していた。
イ・ジョンジェは「イカゲーム」で、サラ金業者に追われ、生存ゲームに参加した主人公“ソン・ギフン”を演じた。酒と賭博におぼれ廃人のように生きながらも、人に対する信頼だけは手放さない人物を見事に表現した。
これまで“品のある”キャラクターで、韓国のお茶の間やスクリーンを行き来し、観客をとりこにしてきたイ・ジョンジェが、今回の作品では情けない中年男性役を務め、これまでのイメージを完全に脱ぎ捨てた。
緑色のくたくたなトレーニングウェアを着て運動場の床にしゃがみ込み、タルゴナを無我夢中でなめる姿は、ギフンの切迫した境遇を視聴者たちに完全に伝えたという評価を受けた。
モデルとして活躍していたが、1993年にドラマで俳優デビューをしたイ・ジョンジェは、若いスターとして第一の全盛期を迎えた。
1990年代には、国民的ドラマに出演し、一躍スターダムにのし上がった。女優コ・ヒョンジョンのボディーガード役を務めた彼は、一歩後ろに下がって黙々と彼女を守る姿を披露し、多くの女性を魅了した。
その後、映画『太陽はない』(1999)で、27歳という若さで青龍映画祭の主演男優賞を受賞。この作品を通じて芸能界を代表する“親友”チョン・ウソンと縁を結んだ。
しかし彼は、若くカッコいいキャラクターを演じるに留まらなかった。
30代、40代には、俳優としてさまざまなキャラクターをこなし、第二の全盛期を迎えた。出演する作品ごとに180度違う姿で登場し、“キャラクター収集家”という別名を得たりもした。
映画『情事 an affair』では、叶わない恋をするあどけない青年“ウイン”、『ラスト・プレゼント』では余命宣告を受けた妻のために舞台を準備する無名のお笑いタレント“ヨンギ”、『タイフーン/TYPHOON』では強靭な海軍将校“カン・セジョン”、『サバハ』では新興宗教団体の実態を追う俗物“パク牧師”、『ただ悪より救いたまえ』では兄弟を殺した請負殺人業者への復讐を誓う“レイ”を演じ、魅力を発散した。
カンヌ国際映画祭のコンペティション部門の進出作であるイム・サンス監督の『ハウスメイド』(2010)では欲望に忠実な主人“フン”に扮し、独特のカリスマで観客を魅了した。
その後、映画『10人の泥棒たち』や、『新しき世界』、『観相師 -かんそうし-』、『神と共に』など、彼が出演した映画は次々とヒットした。“千万観客”を超えた作品は、4作品にもなる。
昨年に至っては、「イカゲーム」でワールドスターの仲間入りを果たし、再び全盛期を迎えた。
世界的人気となった彼は、『スター・ウォーズ』シリーズ『The Acolyte(原題)』の主人公にもキャスティングされた。『スター・ウォーズ』シリーズは、全世界に強烈なファンを持つ大衆文化コンテンツであるため、イ・ジョンジェはこれをきっかけにアメリカ進出を本格化するとみられる。
今年は、イ・ジョンジェが4年間にわたって心血注いだスパイ映画『Hunt(原題:헌트)』で監督デビューをした特別な年でもある。
イ・ジョンジェが脚本から演出、演技までを務めた『Hunt』は、カンヌ国際映画祭で先行公開され、長いスタンディングオベーションを浴びた。韓国でも先月公開され、観客400万人を突破し、興行に成功した。
6年前からは親友のチョン・ウソンと共に芸能事務所「Artist COMPANY」を運営し、事業家としての力量も立証している。「Artist COMPANY」には、俳優のアン・ソンギ、ヨム・ジョンア、Ara(コ・アラ)、パク・ソダム、イ・ソムなどが所属している。
イ・ジョンジェが、“ピーク”だとされていた時期を過ぎてもまた違う全盛期を続けることができた秘訣は、今の姿に飽き足らない粘り強さのおかげだ。
イ・ジョンジェは最近、マスコミのインタビューで「期待値を超えてこそ、努力したと言えると思う。期待値どおりをやるだけでは、足りない」と作品に臨む態度を明かした。
