歌手ユンナ、リパッケージ盤『END THEORY』が逆走行…「ここに留まらず音楽の冒険を続けたい」

2022年11月08日

「ものすごく不思議で妙だった。ウソみたいで何度もチャートを見て確認した。見るたびに自負心でいっぱいになった」
歌手ユンナはインタビューで「私の音楽生活においても非常に力になった」と述べた。
彼女がこのように語ったのは、今年3月にリリースした6thアルバムのリパッケージ盤『END THEORY : Final Edition』のタイトル曲「Event Horizon」が、チャーを“逆走行”したからだ。
9月には100位圏外だったこの楽曲は、「光さえ抜け出すことができないブラックホールのある地点」を指す“事件の地平線(Event Horizon)”に、別れを比喩した歌詞が斬新だとの評価を受け、注目され始めた。
その後、秋の大学祭でユンナの爆発的な歌唱力も共に注目され、順位が急上昇した。大型ガールズグループの相次ぐカムバックの中に屈することなく、この楽曲は順位を上げ、ついにGENIEで1位、MelOnで2位を記録する“異変”をみせた。
通常、音源チャートの首位は、巨大なファンダムや大衆の好みなど、ひとつでも欠ければ成し遂げられないため、今回の逆走行はデビュー18年(日本基準)で収めた大きな成果だ。
ユンナは「家族や友人から、おめでとうと連絡をたくさんもらった」とし、「ファンが『ほら。ユンナは優良株だと15年前から言っていたじゃないか』と言ってくれたことが一番うれしかった」と述べた。
ユンナは「Event Horizon」をはじめ、6thアルバムのリパッケージ盤の収録曲のほとんどの作詞と作曲に参加し、シンガーソングライターとしての技量を誇った。
愛と別れは、歌謡界のおなじみのテーマだが、これを“宇宙”と融合させ解釈したのが目を引く。そういえば6thアルバムの収録曲のタイトルは、「Oort Cloud(太陽系の外を巡る天体集団)」、「c/2022YH」、「Stardust」、「Black hole」など天文学的素材がほとんどだった。有名天文学者カール・セーガンの「コスモス」でも読んだのだろうか。
ユンナは「宇宙はとても好きな素材。ベルナールウェルベルの『パピヨン』も感銘深く読んだ。小説の中で、新しい惑星に到着した最後のシーン、つまり地球とは違う新しい惑星の感じを表現したかった。以前とは異なることを導き出さなければという強迫観念にとらわれていた」と明かす。
ユンナは「宇宙はいつも憧れの対象なので、星を見るのが好き」とし、「『コスモス』も読んだが、途中、難しい部分があったため読み終えることができなかった。しかし、手あかがつくほど読んだのは事実」だと述べた。
この宇宙というテーマを『END THEORY(終わりの理論)』とつなげた想像力も際立った。相対的に過去よりきれいな韓国語の歌詞を見なくなった最近、彼女は「Event Horizon」で“あそこに消えた星座/かすかに白い光/しばらくは取り出してみることができるだろう”と別れを描写する。
ユンナは「新型コロナウイルス感染症の期間にとても孤独な時間を過ごし、作業にまい進せざるをない状況だった」と振り返った。
それとともに「新型コロナウイルス感染症のパンデミックの初期には、ウイルスに関する情報があまりなく、かかったら死ぬこともあると皆一度は考えたのではないだろうか」とし、「“私の家族や私が死んだら”、“(これが)最後になったら”という想像から出発したアルバム」だと説明した。
彼女は6thアルバムをリリースしたが、何かもっと見せたいと思い、リパッケージ盤も披露することにした。6thアルバムに入れなかった楽曲をリパッケージ盤として出すのはもったいないと思い、数曲を新しく作ることにし、今年1月に済州(チェジュ)島へと旅立った。
「ドライブをしていたら、西帰浦(ソギポ)の方から夕日が見えた。みんな立ち止まって夕焼けを見ていた。過ぎ去り、終わっていくことに対して寂しく思うのはみんな同じなんだなと思った。このテーマを生かしてみようと考えていたら、3日間で『Event Horizon』の歌詞ができあがった」と説明した。
ユンナは「終わりがあるとするなら、それはどんな意味なのか気になった」とし、「結局は“人は何ゆえに生きるか”ということを扱っているのだが、これは誰に聞いても分からないこと。私の存在はどこにあるのか悩みながら作業を始めた。歌詞を書いていたら、疑問が解消される感覚を覚えた」と述べた。
そんな悩みの結果物であるせいか、彼女のアルバムを聴いていると、ある賢者の禅問答を聴いている気分になる。
彼女は「私が出した結論は今、私の周辺にあるものを大切に思いながら、楽しく生きようということ。私の楽曲が“戦争のような人生”を生きていく誰かの応援歌になれば幸いだ」と明かした。
ユンナは“応援歌”という表現のように収録曲の「Oort Cloud」で“Beyond the road 皮を破ってしまおう”と歌い、愉快にリスナーを慰める。
楽曲の途中で突然始まる楽しいタップダンスのリズムは、“避けられないなら楽しめ”というメッセージを意味するために入れたと述べた。
また別の収録曲「c/2022YH」は、疾走するように豪快に展開するメロディーが、「Comet」や「Password 486」などのユンナのデビュー当時の音楽を思い出させる。
彼女は「まさにその感覚。『c/2022YH』は、韓国語で“彗星(Comet)”という意味。2022年バージョンの『Comet』を作ってみたかった。私はいつも回っていて、振り返ればその場所にいるという応援歌を歌いたかった」と付け加えた。
新人時代の話がでた時、2000年代中盤に韓国と日本の両国を縦横無尽に行き来した彼女の活躍ぶりの話を切り出した。テレビに映った彼女の姿は、10代という幼い年齢にも関わらず震えたり気後れしたりすることなく堂々としていた。しかし彼女は「実際はそうではなかった」と首を横に振った。
ユンナは「当時は生存のために戦うインディーズ歌手の感覚が強かった」とし、「そばで助けてくれる同僚も、アドバイスしてくれる所属事務所の先輩もいなかった。それで私は『やり遂げる』という強靭な精神を意識的に見せるしかなかった」と振り返った。
それとともに「今は事務所の家族もいて、後輩もいて、イ・ソクフン(sg WANNA BE)さんもいて、とても余裕ができた」と笑った。
さらに「あの頃の私は強いふりをたくさんしていた。『Password 486』で1位を取ったときもステージでは、ハキハキと『ありがとうございます』と言ってトロフィーを受け取っておきながら、降りて号泣した。『生放送では泣いてこそ“絵面”がいいのに、なぜ降りてから泣くんだ!もどかしい…』とプロデューサーさんから冗談を言われたりもした(笑)」と付け加えた。
忘れられない1年を送ったユンナ。最近は年末のコンサートの準備に奔走している。「Event Horizon」が大ヒットとなり、チケットは早くもソールドアウトした。ファンからは「身の程もわきまえず、小さな会場で開催している」というお褒めの言葉(?)までいただいた。
彼女は「『Event Horizon』はとても愛されたが、ここに安住せず、また新たな音楽的冒険に出かける」とし、「彗星が軌道を回るようにさまざまな趣向を合わせた音楽を作るので期待してほしい」と呼びかけた。
そして「ユンナという歌手はいつもその場にいるので、それぞれの人生を生きて久しぶりに会う友人のようはミュージシャンになりたい。私の楽曲は皆さんの人生のBGMになれば幸いだ」とも述べた。

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