映画『ドリーム』のイ・ビョンホン監督、「前作の『エクストリーム・ジョブ』はプレッシャーだがありがたい “荷”」

2023年04月25日

イ・ビョンホン監督の映画『エクストリーム・ジョブ』(2019)は、韓国コメディジャンル、広くは韓国映画全体の歴史を新たに刻んだ作品だ。莫大な資本を投資したり、トップスター俳優で出演陣を埋め尽くしたりしなくても、計1,620万人あまりの観客を呼び集めた。
2時間、絶えず“笑わせること”に集中した映画は、ただ笑いたい観客たちの趣向を捉え、『バトル・オーシャン 海上決戦』(2014)に続き、韓国映画興行歴代2位という成績をおさめた。
イ監督は、26日に韓国で公開される新作『ドリーム(原題:드림)』では、得意のコメディに力を入れる代わりに、叙事を詰め込んだ。人生の苦みを味わったホームレスたちが集まり、国家代表として、“ホームレスワールドカップ”に出場する物語だ。
24日、ソウル・鍾路(チョンノ)区のあるカフェで会ったイ監督は、「『エクストリーム・ジョブ』は、“よく分からないが、とにかく笑わせよう”という気持ちで作業したとするなら、『ドリーム』は、やり慣れた方法を使って、この話が(観客に)迫るように撮影した」と述べた。
「新しくなければならないとう強迫観念を捨てて、簡単な方法で面白く作ってみようという気持ちだった。疎外された場所を紹介する話だから…数年前に教養番組で、関連の実話を見たとき、こう思った。『なぜ、私はこういうことをまったく知らなかったのだろうか。知っておくべきなんじゃないか』と」
イ監督は、ホームレスの自活のために作られた雑誌「ビッグ・イシュー」の関係者たちにインタビューし、映画に登場するホームレス選手たちの背景を設定した。2015年には、オランダで開かれたホームレスワールドカップを自ら観覧するなど、計8年間かけて『ドリーム』を構想した。
いざ映画を作ろうとしたところ、ホームレスのサッカー団を率いる監督“ホンデ”役のキャスティングが難航したと明かした。『二十歳』(2015)のヒットで“自分をすごい監督だと思っていた”イ監督は、慌てたという。
イ監督は、「サッカーをしなければならないので、体力を使う割に、目立つ役ではないので、出演オファーを断られても仕方ないと思っていた」とし、「ちょうどタイミングよく、このような作品をやってみたいというパク・ソジュンさんが出演することになった」と説明した。
サッカー団の出場記をカメラに収めるドキュメンタリープロデューサー“ソミン”役は、歌手兼女優のIUが務めた。
イ監督は「私がキャスティングしたのではなく、IUが私を選んでくれた」とし、「彼女は、うらやましくありながらも尊敬する人だ」と述べた。
「ソミンは、トップスターが演じるには、少し物足りない役。そのため、IUさんは当初、キャスティングリストに挙がりもしなかった。そんな中、『ダメ元で一度オファーしてみろ。IUさんがやるなら、シナリオも修正すると言え』と担当者に言った。それから一週間後、出演するという連絡が来たのだ」
IUは最近のインタビューで、ホームレスたちの温かな話に惹かれ、出演を決心したと述べていた。
しかし、『ドリーム』はイ監督の前作と比べると、笑わせようと組まれた映画ではない。
イ監督は、「自分が社会的問題を扱っても、“どれほど笑わせてくれるのか”と言われるようになった」とし、「『ドリーム』の障害物は、監督である自身だ」とのコメントを残したりもしていた。
イ監督は同日のインタビューでも、「この映画は“イ・ビョンホンらしく”なく、“ドリームらしく”なければならないと思った」としながらも、「(『エクストリーム・ジョブ』による期待値が)これほどだとは思わなかった」と述べた。
「『エクストリーム・ジョブ』は、私が担わなければならない、重いながらもありがたい荷。プレッシャーでもあるが、関心だと思っている。おかげで『ドリーム』が投資審査で加算点を受けたと思う。成果を出さなければならないプレッシャーと責任感をいつも感じている」

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