女優ハン・ソヒのスクリーンデビュー作『Heavy Snow』、友情と愛を行き来する2人の女性の物語

2023年05月02日

「私、10歳のときから番組をやってたでしょ?だから人々が私をどのように見るかとか、ドラマの中の役ばかりを考えてた。本当の自分は誰なのかは、分からなかった」 と“ソル”(ハン・ソヒ)は言う。
「1日でいいから、あなたのように美しい顔で生きてみたい」と“スアン”(ハン・ヘイン)。理解できないという表情だ。
「そうね、私はきれいなほうだわ」 ソルが無意識に答える。
ユン・スイク監督の映画『Heavy Snow(原題:폭설)』は、友情と愛の境界を行き来する2人の女性、ソルとスアンの物語を描いた作品だ。
アイドルスターのソルは、江陵(カンヌン)にある芸術高校の演劇クラスで俳優志望のスアンに出会う。
ソルがこの学校に通うことになった理由は、はっきりしないが、あまりにも幼い年齢でスターになった彼女は、アイデンティティの混乱を経験する。彼女の内なる葛藤は、自己破壊的に見える。
ソルはある日の夜、突然スアンの家を訪ね、ソウルに遊びに行こうと誘い、スアンは何かに取りつかれたように一緒に旅立つ。人通りの少ない明け方のソウル・明洞(ミョンドン)の街で2人は、友情なのか愛なのか分からない関係に陥る。
友情と愛の境界線に敷かれたのは、美しさに対する崇拝なのかもしれない。
「あんなに高貴だった方が、あんなふうに崩れてしまったのだ!」
スアンは、演劇クラスにある鏡の前で、シェイクスピアの喜劇にあるようなセリフを詠みながら嘆く。破局に陥るハムレットを見て残念がるオフィーリアと自分を同一視しているようだ。
年を取り、俳優になってもソルを忘れられないスアンはソルと再会し、大雪が降る中、サーフィンをする。
友情と愛の境界を行き来する2人を見せた映画は、いつの間にか現実と幻想の境界を行き来する。ソルとスアンのように観客も道に迷ってしまいそうだ。ただ冬の海の美しさには、目を奪われる。
『Heavy Snow』は、女優ハン・ソヒのスクリーンデビュー作で、新人時代のハン・ソヒの初々しい姿を盛り込んでいる。2019年に制作された独立映画で、これまで公開されていなかったが、制作から4年の時を経て公開されることになった。
この映画は先月27日に開幕した全州(チョンジュ)国際映画祭の韓国コンペティション部門に招待され、29日に初公開された。前売りが開始されるやいなや、チケットは完売し注目を集めた。
さまよう青春を描いたユン・スイク監督のデビュー作『Groggy Summer(原題:그로기 썸머)』(2013)に続いて彼の2作目となる長編作だ。
ユン監督は「シナリオ執筆に集中しようと江原道(カンウォンド)襄陽(ヤンヤン)に居住していたとき、サーフィンを学ぶことになった。大雪が降り注ぐ冬の海で一人、サーフィンをしていた日、『Heavy Snow』のインスピレーションを得た」と述べた。
彼は「自然と、冬の海や大雪が降る山の中の荒々しい風景が物語の背景となり、その中で個性ある2人の女性キャラクターのロマンスが調和する夢幻的で独特な映画的雰囲気を作ろうとした」と付け加えた。

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