俳優と歌手、“二兎”を得たオム・ジョンファ、「今が栄光の時代」
2023年06月06日

「栄光の時代は、今だと思う」
オム・ジョンファ(53)は俳優として、歌手としてこの30年間満ち足りるほどの大きな愛を受けてきた。千万映画『TSUNAMI -ツナミ-』(2009)に出演し、『ダンシング・クィーン(原題:댄싱퀸)』(2012)で400万人の観客を集める底力を見せた。歌手としては「Rose of betrayal」(1997)、「Invitation」(1998)、「Poison」(1998)、「Festival」(1999)など大ヒット曲を残した。
人気だけでなく祝福もあった。百想芸術大賞の最優秀演技賞を2度受賞し、大鐘賞の女優主演賞、KBS演技大賞の優秀演技賞を受賞した。年末の歌謡祭を何度も受賞したのはもちろん、ゴールデンディスクアワードの本賞も受賞した。
それでもオム・ジョンファは、ソウル・江南(カンナム)区のサラムエンターテインメントで行われたインタビューで、栄光の時代がいつなのかと記者が尋ねると、「今」だと答えた。彼女が先に経験した華やかな時代を思えば、多少疑わしく聞こえる答えだ。
しかしオム・ジョンファの言葉は誇張ではない。それもそのはず、オム・ジョンファがタイトルロール(題名に明記された登場人物)を務めたドラマ「医師チャ・ジョンスク」が、同時間帯の最高視聴率を記録したためだ。舞台に立つオム・ジョンファを見せるバラエティー番組も連日話題となっている。
オム・ジョンファは、「うちの警備員さんも私を見て“ハート”を飛ばしてくださる。最近、どこに行っても『ジョンスク』と呼ばれる」とし、「先日、大学祭に行ったら学生たちも私を『チャ・ジョンスクだ!』と呼んでくれた」と自慢した。
彼女は、「ドラマのキャラクターの名前で呼ばれるのは初めて」だとし、「それだけ私がチャ・ジョンスクと同一視されたという意味のようでうれしい」と付け加えた。
「医師チャ・ジョンスク」で、オム・ジョンファは育児のゆえに諦めた医師の道を、一足遅れて歩く46歳の“チャ・ジョンスク”を演じた。医大生の息子より高い点数で専攻医試験に合格したほどの秀才であるうえ、治療を拒否する患者の心を開く温かな性格で視聴者を魅了した。
作品の中のジョンスクは、次々と大きな事件に直面する。
夫の初恋であり大学同期の“チェ・スンヒ”(ミョン・セビン)が、夫と同じ大学病院で教授として働いている現実に直面する。さらにスンヒと夫は内縁関係にあり、高校3年生の娘までいるということを知る。
ジョンスクは、驚き慌て、悲しみの涙を流し、そして夫に会って裏切りに対する怒りを吐露し、決着をつける。スピーディーなストーリー展開であるぶん、オム・ジョンファが表現したジョンクスの感情も急激に変化した。
オム・ジョンファは、「初回放送前は、途方もないプレッシャーを感じて苦しいほどだった」と、タイトルロールが与えるプレッシャーを吐露しながらも、「チャ・ジョンスクを演じる際に、難しいと感じた部分はなかったようだ」と、ベテランらしい余裕を見せた。
彼女は、「(キャラクターに)共感しながら、歩調を合わせ演技したので、“シンクロ”していたのではと思う」とし、「相手のキャラクター別に『ジョンスクはこの人とどう接するのか』をあらかじめ考えて演技した」と述べ、人々を魅了した演技の秘訣を明かした。
昨年、事前撮影を終えた「医師チャ・ジョンスク」がお茶の間でヒットする中、オム・ジョンファはダンス歌手として音楽バラエティー番組の制作スタッフと全国を回りながら巡回公演を行った。
この番組のオム・ジョンファからは、“疲れ果てたレジデント、チャ・ジョンスク”の姿は見えなかった。赤い舞台衣装を着てカリスマを発散し、緊張しながらも舞台に上がると、老練な公演を披露し、“オムサル(韓国語で大げさという意味)・ジョンファ”というニックネームも得た。
俳優と歌手という二兎を得たオム・ジョンファは、周りの人々に功を譲った。ジョンスクの夫“ソ・イノ”を演じた俳優のキム・ビョンチョルを「医師チャ・ジョンスク」のヒットの立役者に挙げ、バラエティー番組に対しては歌手イ・ヒョリに感謝を伝えた。
オム・ジョンファは「イノはとても憎い役なのに、キム・ビョンチョルさんがキャスティングされたという話を聞いて、とても楽しみだった」とし、「場面をどのように生かすか、お互いに相談し合えるとてもよいパートナーだった」と称賛を惜しまなかった。
彼女はまた、「声のせいで、歌手生活をとても心配していたが、プレッシャーを払いのけ番組のプロジェクトグループに合流できたのは、ヒョリのおかげだった」とし、「おかげで少しずつ前に進むことができた」と打ち明けた。オム・ジョンファは、2010年に甲状腺がんの手術で声帯を痛めたという事実を、一足遅れて伝えられたことがある。
今後の計画と目標を尋ねると、オム・ジョンファの答えには迷いがなかった。
まず俳優としては「印象的な演技ができるキャラクターを担いたいし、何より立派な演技をこなす良い俳優になりたい」と述べた。また、一昨年からアルバムを準備しているとし、「情熱がある限り、歌手活動を続ける」と述べた。
オム・ジョンファは、「本当に面白い作品と良い楽曲を探していきたいし、それが私の最善だ」と強調した。
