映画『密輸』に出演の女優ヨム・ジョンア、「27年ぶりにキム・ヘスと演技」
2023年07月24日

「演技も演技そうだが、やはり“人”が大事。(同僚たちと)こんなに幸せに作品を撮れたなんて、私はとても福が多い人間だと思う」
最近、ソウル・鍾路(チョンノ)区で会った映画『密輸(原題:밀수)』の主演俳優ヨム・ジョンアは、今回の作品を通して得たものは何かという質問に、ためらわずこう答えた。
26日に韓国で公開されるこの映画は、1970年代の海辺の村に住む海女たちが、密輸犯罪に飛び込み繰り広げる話を扱う。ヨム・ジョンアは海女のリーダー、“ジンスク”を演じた。仲良しの“チュンジャ”(キム・ヘス)をはじめ、“ヤン・クムネ”(パク・ジュミョン)、“テジオンマ”(キム・ジェファ)、“トクスンイ”(パク・ギョンヘ)、“オクチョクイ”(チュ・ボビ)などと“海女チーム”を組み、呼吸を合わせる。
彼女たちは半年以上、苦楽を共にしたため、自然と熱い友情が芽生えたという。特に1996年のドラマで共演して以来、約27年ぶりに作品で再会したキム・ヘスとは、試写会などのプロモーションで手を繋ぐ仲になった。
「ヘスさんとは、若い時に少しだけ作品でご一緒した。しばらく同じ事務所に所属していて、事務所の出入りで顔を合わせたり、たまにメールを送ったり、少し話したりする程度だった。今では、頼れるお姉さんになった。ヘスさんは本当に愛情深い人だ」
劇中のジンスクとチュンジャが、特別な関係である点もヨム・ジョンアとキム・ヘスをさらに近づけてくれた。実の姉妹も同然だったジンスクとチュンジャは、数年ぶりに和解し、再び犯罪のパートナーになる。
「2人が和解するシーンはもちろん演技だが、お互いの目を見ながら心から演じた記憶がある。私が本当にジンスクになったようだった。チュンジャとジンスクが交互に水面に上がってきて、お互いの手を引っ張っていく美しい場面も、象徴的なカットだと思う」
素潜りをしながら生きてきた海女役を務めたが、実はヨム・ジョンアは、撮影前まで水を怖がっていた人だったという。まず出演のオファーを受けてから3カ月間、水に慣れるため猛訓練を行った。
彼女は「先の決心、後の努力だった」としながら、「リュ監督の映画であるうえ、ヘスさんが出ると言うのでとてもやりたかった」と笑った。
「だから水中トレーニングを本当に頑張った。海女たちの話なので、上手であるべきだった。息を我慢することから始めて、1メートル下に、その次には2メートル下に、少しずつ深く入り、結局6メートルまで降りていった。『ここまでできたなら、プールも毎日通えそうだ』と思ったが、作品が終わってからは水の近くにも行っていない…(笑)」
代役を使ったシーンもあるが、ヨム・ジョンアは水中アクションシーンをはじめ、リュ監督にやれと言われたことは全てやったという。1970年代の海女の姿を見せるために、薄いチョゴリと半ズボンだけを着て寒さに耐えなければならない時もあった。
しかし何より難しかった点は、ジンスクというキャラクターを具現することだった。ジンスクは『密輸』に出てくるキャラクターの中で唯一、慎重で責任感が強い人物だ。
「ジンスクは何もしていないように見えるが、感情の動きの中心を取り続けなければならない人なので、演じるのがとても難しかった。さまざまな事情を抱えていながらも表に出さない人。チュンジャに対する気持ちも、ある程度周りに合わせるべきか、いつも悩んでいた」
彼女は、キム・ヘスと自身の配役を変えて演じていたらどうだったのだろうという想像もしたという。チュンジャはジンスクと違い、あくどく詐欺師の気質と下品な面がある人物だ。
ヨム・ジョンアは「最初は、配役を変えても面白いと思ったが、映画を見ると変えなくてよかったと思った」とし、「ヘスさんがチュンジャそのものだったし、この映画はヘスさんでなければならなかった」と強調した。
このように『密輸』は、ヨム・ジョンアとキム・ヘスが“ツートップ”で作品をリードしていく映画だ。もちろん2人を犯罪に追い込む“クォン上士”(チョ・インソン)と“チャン・ドリ”(パク・ジョンミン)、喫茶店主人でありチュンジャとジンスクを助ける“コ・オクブン”(コ・ミンシ)など他のキャラクターのアンサンブルも輝く。
「最近、とても嬉しい。年齢も重ねているのに、このような出演オファーをいただけるということが(笑)。ドラマ『SKYキャッスル』までは、女性たちが主人公である作品があまりなかった。その時もとても楽しくて、『女性同士でたくさん演技ができて、すごくうれしい』と言っていた。最近、ますますそういう作品が多くなっているので、これからはさらに多くなるのではないだろうか」
