『脱出』に出演のチュ・ジフン、「チョ・バクは爽快さと味わいを持つキャラクター」

2024年07月11日

今月12日に公開されるキム・テゴン監督の新作『脱出:PROJECT SILENCE(原題:탈출: 프로젝트 사일런스)』(以下、『脱出』)は、濃い霧がかかった海上の大橋で発生した最悪の連鎖追突事故により孤立した人々の物語を描いた災害映画だ。

事故現場に出動したヘリコプターの墜落、大橋の崩壊、秘密裏に投入された人命殺傷用の盲犬たちの襲撃などの出来事を視覚特殊効果(VFX)でリアルに具現した。

しかし『脱出』は、過度にCGに頼った映画ではない。俳優たちの体を張った演技がCGと調和し、観客に強い没入感を与える。

劇中、事故現場で猛犬たちに追われる牽引車の運転手“チョ・バク”(チュ・ジフン)が、走る車のトランクに飛び込むシーンもそのように作られた。

「あの時は肩が壊れるかと思った。本当に大変だった。トランクに体をねじ込むようにして入ったからだ」

10日、ソウル・三清(サムチョン)洞のカフェで会ったチュ・ジフンはこのように話して笑った。身長187㎝の長身の彼が窮屈なトランクの中で動くのは、アクション演技よりも大変だったという。

チョ・バクが、口の中に入れた強い酒をたき火に吐き出し、大きな炎を起こすシーンもCGなしで撮影された。チュ・ジフンは、「(スタッフが)危険なのでCGにすることもできると言ったが、演技で表現したいと思っていたのでCGを使いたくなかった」と話した。

暗く重い雰囲気が流れる『脱出』において、唯一チョ・バクは軽い感じのキャラクターで、劇にコミカルな要素を吹き込む。チュ・ジフンは、チョ・バクについて「僕が感情を吐き出す時のような爽快さと味わいを持つキャラクターだ」と紹介した。

チュ・ジフンは、「災害というのは恐怖のような重い感情を呼び起こすが、『脱出』はあくまで商業映画でありポップコーンムービーだ」とし「観客が軽い気持ちで楽しめるようにする役割を、チョ・バクが担う」と話した。

彼は『脱出』に参加することになったきっかけに関しても、「ポップコーンムービーに出演したかった」とし「チョ・バクのような機能的な役が好きでもある」と話した。

黄色に染めた長髪にオレンジ色のジャケットとジーンズを着たチョ・バクは外見も最も目立つ。

チュ・ジフンは、「1990年代初頭のガソリンスタンドで見かけたようなアルバイトの男性が思い浮かんだ」とし、チョ・バクというキャラクターをどのように構築したかを説明した。

チョ・バクは、人を裏切ってでもお金を手にしたい欲深い利己的な人物だが、心の奥底には人間愛を持っている。

ジョディという名前のペットの犬を溺愛する姿からは、彼の温かさが見られる。チュ・ジフンは、「戌年なので、犬とコミュニケーションをとるのは難しくなかった」と笑った。

『脱出』は昨年末、突然世を去ったイ・ソンギュンさんの遺作でもある。イ・ソンギュンさんは主人公で大統領府国家安保室行政官の“ジョンウォン”を演じた。優等生タイプのジョンウォンは、チョ・バクと強烈な対比をなす。

チュ・ジフンは、イ・ソンギュンさんについて「よき同僚、よき先輩、よき俳優だったので(撮影が)楽しかった」と振り返った。

彼は、「ソンギュンさんは、ディテールにもこだわるタイプだ」とし「ドラマだから見過ごせるような事もソンギュンさんは“それは、ありえないだろ”と問題提起していた。それほど蓋然性を重視していた」と明かした。

『脱出』は、今夏のピークシーズンに公開される韓国映画の中で最も規模が大きい作品だ。ヒットしなければならないというプレッシャーも、そのぶん大きいことだろう。

今年で42となるチュ・ジフンは、「若い時は映画のヒットに一喜一憂していたが、多くの作業をしながら視野が広がり、映画やドラマは一人で作るのではないということが分かった。だから今は気持ちも淡々としている」と話した。

彼はメロドラマを撮る計画はあるかという質問が出ると、「俳優として好きなジャンルであり、演じてみたいとは思うが、オファーがない」と笑った。そして「伝統のメロをしたいという気持ちはいつも持っている」と付け加えた。

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